修復されたかつての日本人村にあるお寺
花蓮市の西側にある吉安区に日本と同じ風貌のお寺があります。
このお寺は慶修院(じん しょう ゆぅぇん)という名前で、かつて日本統治時代に日本の徳島県吉野町からこの花蓮の地に移住してきた日本人が建てたお寺です。
慶修院に残されている資料によると当時徳島県にある吉野川の氾濫に苦しんでいた人々が1899年にこの地に移り住んだのがきっかけとなり、その後1910年までに61戸になるまで多くの人が徳島県より移り住んできました。
この徳島県よりの移民がなぜ歴史に残されているかというと、台湾統治のために日本から台湾に来ていた人々は軍隊関係者や技術者、経営者などの日本国から援助を受けて台湾に移民して来たのに対して、この吉安に移住して来た人は国から援助をされていない一般人で日本での財産などを全て投げ出し台湾花蓮にやって来た、かっこよく呼ぶとチャレンジャーの人たちでした。
慶修院の本尊は弘法大師で、徳島ゆかりの四国八十八ヶ所を模した霊場なども境内に建てられております。
慶修院はお寺ではありますが、現在ではすでにお寺としての活動はしておらず、観光用の古跡として保存されております。そのため入場には30NTD支払う必要があり、月曜日は定休日とのことです。
外観は日本のお寺と神社を合わせたような雰囲気で、境内では台湾人から人気の絵馬や日本風のお守りもこの慶修院で手に入れることができます。
ちなみに現在の建物は2003年に修復されたものとなっており、昔から残されている建物の一部や、弘法大師像、鐘などは直接触れることはできず保存対象物となっております。
今回私は初めて慶修院を訪れたのですが、まるで日本に観光旅行をしているような雰囲気ですごいテンションが上がりお守りを買ったり、手水舎で手を洗ったり楽しむことができたのですが、家に帰りこの文章を書いている時にふと日本人観光客がわざわざ台湾に来て日本風のお寺を見に行くのかな?と疑問に思い調べて見ると、やはり慶修院はあまり日本人向けの観光地としては人気がないそうです。(そりゃそうだよね・・・私も日本に旅行に行って日本にある台湾風神社には行かないからね・・・)
それでも慶修院は台湾人からは人気の観光地であることには変わりはないので、ぜひ歴史研究という目的でこの慶修院に足を運んで見てください。
慶修院 住所 | 花蓮県吉安鄉吉安村中興路345-1号 |
開放時間 | 8:30~17:00。月曜定休日 |
入場料 | 30NTD |
慶修院 ホームページ | http://www.yoshino793.com.tw/ |
アクセス | 台湾鉄道 花蓮駅よりタクシーで約20分 |