莊智淵 最後のオリンピック
2021年7月27日エジプト代表のOmar Assarに4:3で敗戦し荘智淵の長い長い航海は終わりを迎えました。現在台湾の30歳〜40歳の年代で卓球に少しでも触れたことがある人であれば彼の名前を知らない人はいないでしょう。
荘智淵は8歳の頃から母親とともに卓球をはじめ、2002年彼が19歳の時国際卓球連盟が主催するITTFワールドツアーで優勝したことで多くの台湾人にその名前が知られることになります。そしてその翌年2003年には世界ランキング3位になりました。
その後数々の国際大会に出場しメダルを獲得し続け、オリンピックではアテネオリンピック 男子シングルス ベスト8、北京オリンピック 男子シングルス ベスト16、ロンドンオリンピック 男子シングルス 4位、リオオリンピック 男子シングルス ベスト32と、メダルを獲得はしていませんが4つのオリンピックで台湾代表として活躍をしてきました。
そして荘智淵40歳、自身5回目となる2021年東京オリンピックはベスト16で終えることになりました。
今回の東京オリンピックに挑む荘智淵の姿は多くの台湾人の心を動かすことになります。
卓球のテレビ中継を見ていた方の中には気がついた方がいると思いますが、彼にはコーチもサポートする人もおらずただ1人で試合に挑んでいます。
1人で会場に入り、汗を拭くタオルも自分で準備をし、水も自分で準備をする。
試合が始まればタイムアウトを自分で取り、目を閉じ椅子に座り瞑想をしまた試合に戻って行く。そして試合に勝てば自ら後片付けをして去り、負けても同じように静かに自分で後片付けをして去って行く。
この姿が「孤独の戦士」と多くの台湾メディアで報じられテレビ越しにオリンピックを見ている我々台湾人に大きな感銘を与えました。元々荘智淵寡黙な選手として知られており、台湾国内メディアで報じられている内容ではコーチをつけていない理由は彼のコーチの席はすでに他界した母親の席だからとのことです。
荘智淵はこのオリンピックで選手を引退することになっており、今後は自分で経営する卓球教室でコーチをして行く予定となっています。
後書き
台湾プラスは旅行サイトということもあり東京オリンピックに関しては取り上げない予定でしたが柔道で金メダルを獲得した楊勇緯や重量挙げの郭婞淳と同じように台湾国内では話題となっている荘智淵ですが、日本のメディアでは全く取り上げられずこのまま荘智淵の存在が知られないまま消えて行くというのは残念な気がしたため、台湾には荘智淵という選手がいたということを記事という形でネット上の記録に残したいと思い今回の記事を書かせていただきました。
荘智淵さん20年間お疲れ様でした
荘智淵インスタグラム
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荘智淵Facebook
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