台湾産パイナップルの経緯
ことの発端
この突然の禁輸措置の理由は昨年以来、台湾産農産物からさまざまな有害生物が発見されたと言う理由を中国側は発表していますが、台湾世論では害虫の検出を口実とした経済制裁ではないかとの声が上がっています。
ちなみに2018〜2020年台湾から中国へのパイナップルの輸出量は約12万トンあり、これを平均すると毎年約4万トンのパイナップルが中国に輸出されていることになります。この4万トンのパイナップルは台湾国内で栽培されているパイナップルの約10%にあたりこの中国の禁輸措置が台湾の農家へ与える影響は大きいものとなっております。
台湾の対応と市場の動き
中国の禁輸措置の発表を受け台湾の行政院はただちに約37億円の予算を措置し、販路拡大などを支援すると発表しましました。これに対して台湾の企業や個人が答え、パイナップルの大量購入依頼が殺到します。
特に台湾大手スーパー全聯は利益に関係なくパイナップルを仕入れると発表しています。
また日本やカナダ、アメリカなどの国外からの発注もあり、日本からは5000トンの発注があったと台湾政府が発表しております。
2021年3月3日
台湾の蔡総統は自身のツイッターで日本に対して今回のパイナップル購入に対して感謝のメッセージを発表しました。
日本では店舗や地域によりますがイオンや西友などの大手スーパーを中心に多くのスーパーや小売店が台湾パイナップルの販売を開始しました。
また愛媛県松山市では学校給食で台湾産パイナップルを活用すると言うことを公表して台湾パイナップルの支援を行なっております。
台湾パイナップルの現状
20201年3月19日現在は多くのメディアで台湾パイナップルが取り上げられ、購入可能な販売店が増えたことにより、多くの日本の方に台湾パイナップルが購入され、地域によっては入荷待ちになっているようです。
台湾パイナップルは3月〜4月がシーズンということもあり、新鮮で美味しいパイナップルが手に入りやすい状況ですので、きっかけは中国と台湾の貿易問題とマイナスな理由ですが日本と台湾で農作物の貿易が活発になるという結果となり、台湾を拠点とする台湾プラスメンバーとしては今後も日本と台湾の貿易関係が継続しパイナップル以外の作物も日本で手に入るようになるといいなと考えております。