高雄市鳳山区の隠れ観光スポット
鳳山無線電信所は1917年日本統治時代に日本海軍にて建設された電信所で、当時において、同等の設備を持つ海軍船橋無線電信所と共に日本三大無線電信所の1つといわれておりました。
無線電信所とは海軍の軍艦や潜水艦に電文(今でいうテキストメッセージ的なもの)を送る施設のことで、戦争下においてはこれらの電信所から海洋にいる軍艦や潜水艦に司令部の命令が伝えられる場所として非常に重要な役割を果たしていた施設です。
第二次世界大戦後日本軍が台湾から引き上げると共にこの鳳山無線電信所は台湾海軍に引き取られ鳳山招待所とい名前に変更され、海軍の訓練所として利用されると共に、政治犯、思想犯の監禁所としての役割を果たしていました。
この政治犯、思想犯の監禁所という役割を担っていたということが未だに鳳山区民の記憶に残されており、台湾南部は美麗島事件に代表されるように昔から民主化運動が盛んで、第二次世界大戦後から1990年代まで多くの民主化運動家の言論弾圧が行われ、その運動家たちがこの鳳山招待所に収容されたと言われております。
さて、現在の鳳山無線電信所は文化遺産登録が行われ、高雄市が管理をしており、火曜日〜日曜日の9時〜17時までの間一般公開され鳳山区の観光地の一つとなっております。
過去海軍の訓練場として使われていた建物の中に入ることができ、写真家やモデルの撮影の場所として人気高く多くの写真家がここで撮影を行っております。
建物内は昔利用されていたであろう机や椅子などの家具は整理されており、廃墟でよくある、ガレキでごちゃごちゃしている!ということはなく、どちらかというと殺伐とした空間が多いですが、それでも壁や天井などに以前軍隊訓練場としての跡などが未だに残されております。
今回私は個人カメラマン様の作品作りのためにこの鳳山無線電信所にやってきたのですが、平日ということもあり私たち以外人がおらず、廃墟の中はひんやりとした空気が充満しており、前もって調べていたこの鳳山無線電信所の軍事施設や監禁所として利用されていた歴史のことが頭をよぎり、ちょっとだけ怖い感じがしました。
(台湾のホラー映画「返校」の世界観とこの鳳山無線電信所の雰囲気が重なりなんかお化け出てくるんじゃないか?とビクビクしておりました><)
この鳳山無線電信所は高雄市にしっかり管理された場所で、廃墟に有り勝ちな崩落の危険がありそうな場所などはなく安心して撮影ができる場所となっておりますので、廃墟撮影に興味がある方はぜひ一度足を運んでみてください。
鳳山無線電信所 住所 | 高雄市鳳山区勝利路81号 付近に入口があります。 |
開放時間 | 火曜日〜日曜日。9時〜17時。 |
アクセス | 高雄地下鉄 鳳山國中駅 3番出口から徒歩10分。 |