多くのアーティストを魅了するレインボーおじさんの世界
台中市の郊外の小高い王田山の麓に、まるでそこだけ空想の世界から切り抜いてきたかのように周囲の街並みと全く違う色調の街があります。
その街の家や壁や小道にはまるで幼稚園の子供がクレヨンで描かれたような絵がびっしりと隙間なく描かれており、その様子は絵本の世界にも子供の空想の世界のにも見え、何か取り憑かれたような狂気すら感じてしまいます。
こんな風に書いてしまうと何やらホラー映画のプロローグのようになってしまいますが、今回ご紹介しますのは毎年200万回以上SNSのタグ付けをされ最もインスタ映えする場所として有名な観光地 彩虹眷村(つぁい ほん じぇん つぅん)です。
彩虹眷村は元々は軍人を中心とした公務員の住む住宅街でした。台湾の典型的な背の低い建物の長屋で第二次世界大戦後までは住宅街として機能しておりました。ただし、年月が経つに連れ、若者たちは彩虹眷村はなれより便利な地区に移り住んで行きました。
2008年には彩虹眷村の3家庭のみの住人しか住んでおらず、都市再開発計画により長屋自体の取り壊しが決まっておりました。
そんな時に彩虹眷村に住む黄永阜さん(彩虹爺爺:レインボーおじさん)は半ば廃屋と化したこの長屋の建物や壁に次々とペンキを使い絵を描いて行きました。レインボーおじさんは元軍人で絵やアートなどの知識はありませんでしたが、身の回りにあるものやその当時流行していたものを黙々と描き続けたそうです。
そして2010年には村全体がペイントで埋められ、その姿を見た台中市はこの彩虹眷村を彩虹芸術公園として保存をすることを決め、現在の観光地の姿になりました。
(観光地になったと言ってもレインボーおじさんを含めて3家庭がこの彩虹眷村に現在も住居しております。)
この彩虹眷村は2017年にはロンリープラネットの世界の秘密の奇跡という特集で紹介され、彩虹眷村の来訪者は国内外から年々増加をしております。
日本でも多くのメディアに紹介されており、写真だけなら見たことあるという方も多くいると思います。
彩虹眷村は台中の市街地より少し離れた場所にあるためアクセスが不便ですが、台中にお越しの際はぜひ一度この不思議な世界を体感して見てください。
ちなみにレインボーおじさんはここの売店の売り上げで生計を立てているため、訪れた際はポストカード1枚でもいいので購入お願いします。
彩虹眷村 ホームページ | https://www.1949rainbow.com.tw/ |
彩虹眷村 住所 | 台中市南屯區春安路56巷 |
アクセス | ・台湾鉄道 台中 駅からタクシーで約30分 ・台湾新幹線 台中 駅からタクシーで約20分 |