台湾のお茶について
現在台湾では多くのお茶が国内で生産されております。
台湾でお茶の栽培が始まったのは、18世紀に中国福建省から茶の苗木が持ち込まれたのがきっかけと言われています。その後、中国とは地理的にも気候的にも異なる台湾特有の条件によって台湾のお茶は独自の進化を遂げ、現在では台湾茶は1つのジャンルとして確立していると言えます。
台湾には中央山脈が島を南北に走っており、海抜の高い所は涼しく寒暖差により霧が出るなどお茶作りに最適の栽培環境に恵まれています。朝晩の寒暖差が激しいため茶の木の生長が緩く葉が厚く、お茶の甘みと旨味を引きだす成分『ペクチン』が多く含まれそれによってお茶が美味しくなります。
台湾茶の特徴
台湾茶といえば烏龍茶の品種が多いことで知られています。台湾では他にも、紅茶や緑茶も生産されていますが、圧倒的に烏龍茶を代表とする半発酵茶が多いです。
烏龍茶は半発酵茶に分類されるお茶で、不発酵の緑茶と全発酵の紅茶の間に位置するお茶の種類で、爽やかさがありながらもコクもあるという味のバランスがすぐれています。また半発酵茶である烏龍茶はその発酵方法によって味や風味の調整が可能で銘柄や産地によって風味がまったく異なります。このバリエーションの豊富さも台湾茶の大きな特徴です。
発酵方法別、6大台湾茶種類
台湾では高級レストランから路上のドリンクショップまで多くの場所でお茶が販売されています。台湾でお茶を購入したことがある方は目にしたことがあるかもしれませんが、ウーロン茶、緑茶以外に日本ではあまり馴染みがない青茶や白茶という種類があります。
ここではお茶の種類を製造過程と発酵度合いで説明させていただきます。
紅茶
・収穫後、揉捻(お茶を揉む過程)を行い、加熱処理は行わず発酵させたお茶
・発酵度80%〜90%
アッサムやセイロン、ダージリンなど様々な産地と品種があり世界的に有名なお茶の種類。
緑茶
・収穫後、揉捻をし、加熱処理を行い軽度に発酵させたお茶
・発酵度10%〜20%
日本人にはおなじみのお茶。日本と台湾では加熱処理の方法に違いはあるが大きな枠では同じ製造過程を行うお茶の種類。
黄茶
・収穫後、揉捻をし、悶黄と呼ばれる独自加熱処理を行い軽度に発酵させたお茶
・発酵度10%〜20%
製造過程は緑茶と同じだが加熱処理が緑茶は高温のみで加熱するのに対して黄色茶は低温から徐々に高温にあげそこから低温に戻すという温度に変化をつけたか熱処理を行ったもの。
台湾では希少価値が高くお茶専門店や高級レストランなどでのみ扱われている。
青茶(烏龍茶)
・収穫後、揉捻をし、加熱処理をし中度に発酵させたお茶
・発酵度30%〜60%
台湾で最も多く製造されているお茶の種類で日本人にとっては烏龍茶という名前の方が有名になっているが、台湾のお茶スタンドなどではシンプルに「青茶」と表記されていることが多い。
台湾茶として有名な凍頂烏龍、鐵觀音、包種茶、阿里山烏龍、梨山烏龍、東方美人はすべてこの青茶に属する。
白茶
・収穫後、加熱処理をし軽度に発酵させたお茶
・発酵度20%〜30%
6大台湾茶の中で唯一白茶だけが「揉捻」という工程を行わない。台湾では白牡丹という白茶が有名だがそれ以外にも白茶は生産されており単純に台湾白茶として市場に出ていることが多い
黒茶
・収穫後、麹菌などで数ヶ月かけて発酵させたお茶(産地によって加熱処理をするかしないかが分かれる)
・発酵度100%
黒茶の味の特徴として発酵に時間をかけるため、他の茶に比べて渋みの少ないまろやかな味のお茶。
プーアール茶が有名ですが、日本でも徳島県のお土産として有名な阿波番茶もこの黒茶に属する。